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オープニング 1.「空」 (第1~18話) 作詞・作曲:大黒摩季 編曲:葉山たけし 歌:大黒摩季 2.「息もできない」 (第19~36話) 作詞:坂井泉水 作曲:織田哲郎 編曲:葉山たけし 歌:ZARD 2chのアニソンランキング 306位(2008年05月版) 3.「君さえいれば」 (第37~52話) 作詞・作曲:小松未歩 編曲:池田大介 歌:DEEN 2chのアニソンランキング 151位(2007年12月版)、129位(2008年05月版) VIPPERが選ぶアニソンベスト100+α 47位(第2回) エンディング 1.「青い空に出逢えた」 (第1~20話) 作詞・作曲:小松未歩 編曲:古井弘人 歌:辻尾有紗 2.「ミネラル」 (第21~36話) 作詞:七緒香 作曲:松本孝弘 編曲:松本孝弘、徳永暁人 歌:七緒香 3.「風のように自由 ~free as the wind~」 (第37~52話) 作詞・作曲:宇徳敬子 編曲:UK Project 歌:宇徳敬子 挿入歌 イメージソング・キャラクターソング 関連作品 投票用テンプレ 息もできない(中華一番!/OP2/ZARD/1997) 君さえいれば(中華一番!/OP3/DEEN/1997) OP…オープニング曲、ED…エンディング曲、IN…挿入曲、TM…主題曲 IM…イメージソング・キャラクターソング
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真・中華一番! 第二期 Blu-ray BOX 発売日:4月28日 ●キャラクターデザイン長谷川早紀 描き下ろしジャケット ●原作者小川悦司先生描き下ろし複製イラストカード(全6種) ●PlayPicカード(本編全12話収録) ●原作者小川悦司先生ドローイングムービー完全版 ●ノンクレジットOP ED ここを編集 2021年1月放送開始。真・中華一番!の続編。タイトルロゴにナカグロなし。プライムビデオが配信開始。 http //cookingmaster-anime.jp/ 監督 川崎逸朗 原作 小川悦司 シリーズ構成 川崎逸朗 キャラクターデザイン・総作画監督 長谷川早紀 プロップデザイン 大導寺美穂、雅彩アズサ、新谷真昼 美術監督 中原英統 美術デザイン 綱頭瑛子、伊井蔵、iwaki、田中美紀 美術ボード 春日美波、iwaki 色彩設計 片山由美子 撮影監督 有村駿 撮影監督補佐 安藤優穂 2DCGデザイン 山崎真紀子 特殊効果 井家信 編集 植松淳一 編集助手 村上義典 音響監督 川崎逸朗 音響効果 出雲範子、前島未沙 録音 吉岡拓真 録音助手 宮崎愛菜 音楽 市川淳 劇中文字 西尾鉄也 アニメーション制作 NAS 制作協力 Production I.G 脚本 川崎逸朗 谷村大四郎 絵コンテ 頂真司 川崎逸朗 神谷純 演出 オータカイチロー 多田野緋兎 龚震华 小村方宏治 奥野浩行 白石道太 前田基匡 久保山英一 深瀬重 雄谷将仁 門田英彦 長岡義孝 作画監督 長谷川早紀 藤巻廉 井川麗奈 細田沙織 Prasearth Thongkhum Nyki Ikyn 王敏 劉冬冬 姜知恵 趙暁川 周林 杜冠軍 孫月 金澤龍 西道拓哉 富坂真帆 奥野浩行 工藤晃子 周健 姜智慧 趙青雲 藤本雄一朗 劉爽 孫鵬 萩原省智 櫻井拓郎 Zearth Sato 王悦春 中島渚 針生愛里 もろゆき沙羅 大導寺美穂 中西彩 河本美代子 プライムビデオ:真・中華一番! Ep1 夢を継ぐ者 主演 藤原夏海, 茅野愛衣, 藤井ゆきよ 再生時間:24分 初公開日/初回放送日:2019年10月10日 ■関連タイトル 真・中華一番! 第二期 Blu-ray BOX 中華一番!極 1 EDテーマ COLORS 原作コミック 真・中華一番 超合本版 1 随時更新! pixivFANBOX アニメ@wiki ご支援お待ちしています! ムック本&画集新刊/個人画集新刊/新作Blu-ray単巻/新作Blu-ray DVD-BOX アニメ原画集全リスト スタッフインタビューwebリンク集 最新登録アイテム Blu-ray 魔女見習いをさがして Blu-ray「どうにかなる日々」Blu-ray Happy-Go-Lucky Edition 初回限定生産 Blu-rayDisc付き 『ラブライブ! スーパースター!!』「始まりは君の空」【みんなで叶える物語盤】 BEM~BECOME HUMAN~豪華版Blu-ray Blu-ray 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 10th Anniversary Compact Collection Blu-ray ぐらぶるっ! Blu-ray 映画クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者 Blu-ray CHRONO CROSS 20th Anniversary Live Tour 2019 RADICAL DREAMERS Yasunori Mitsuda Millennial Fair FINAL at NAKANO SUNPLAZA 2020 ゴブリンスレイヤー Blu-ray BOX 初回生産限定 グリザイア ファントムトリガー THE ANIMATION 03[Blu-ray] 特装版 ラブライブ! サンシャイン!! Saint Snow 1st GIG 〜Welcome to Dazzling White Town〜 Blu-ray Memorial BOX ゾンビランドサガ Blu-ray BOX 初回生産限定盤 Blu-ray 思い、思われ、ふり、ふられ 完全生産限定版 Blu-ray Fate/Grand Carnival 1st Season 完全生産限定版 Blu-ray Fate/Grand Carnival 2nd Season 完全生産限定版 Blu-ray ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIII OVA Blu-ray 映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日 BD特装版 Blu-ray アズールレーン 三笠大先輩と学ぶ世界の艦船 ぶるーれい Blu-ray 水瀬いのり Inori Minase 5th ANNIVERSARY LIVE Starry Wishes かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 22 OVA同梱版 呪術廻戦 公式ファンブック よつばと! 15 監修 庵野秀明・樋口真嗣など 夢のかけら 東宝特撮映画篇 パラレルパラダイス 13 特装版 アイドルマスター ミリオンライブ! Blooming Clover 9 オリジナルCD付き限定版 美樹本晴彦マクロス画集 軌 わだち― 夜ノみつき 10th EUSHULLY WORKS しらこ画集 ILLUSTRATION MAKING VISUAL BOOK カズアキ画集 Kazuaki game artworks ライザのアトリエ2 ~失われた伝承と秘密の妖精~ 公式ビジュアルコレクション ぼくたちは勉強ができない 第21巻 音声ドラマ ミニ画集付き同梱版 あいきょう 荻pote作品集 ヒョーゴノスケ流 イラストの描き方 TVアニメ『くまクマ熊ベアー』オフィシャルファンブック 押井守原作・総監督 西村純二監督作品 『ぶらどらぶ』 解体新書公式コンプリートガイド OCTOPATH TRAVELER Design Works THE ART OF OCTOPATH 2016-2020 おそ松さん 3rd season SPECIAL BOOK 描きたい!!を信じる 少年ジャンプがどうしても伝えたいマンガの描き方 YMO1978-2043 「小冊子・YMO全トラックリスト2021 Amazon限定表紙版」付き To LOVEる -とらぶる- ダークネス FIGURE PHOTOGRAPHY COLLECTION 斉藤朱夏 CALENDAR 2021.4-2022.3 ラブライブ! サンシャイン!! Aqours DOME TOUR COMIC ILLUSTRATION BOOK ラブライブ! サンシャイン!! Aqours COMIC ILLUSTRATION BOOK 2020 Winter イジらないで、長瀞さん 10 特装版 「はたらく細胞」公式アニメ完全ガイド リスアニ! Vol.43.2「アイドルマスター」音楽大全 永久保存版VII アイドルマスター シャイニーカラーズ 3 CD付き特装版 ウルトラマンマックス 15年目の証言録 ウルトラマンZ特写写真集 じじぃ 人生は深いな 冴えない彼女の育てかた 深崎暮人画集 上 Flat. ぷよぷよ アートワークコレクション 古谷静佳1st写真集 re START THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER COLLABORATION! Great Journey ウルトラマンゼロ Blu-ray BOX クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 Blu-ray BOX 初回生産限定版 小林さんちのメイドラゴンBlu-ray BOX ゆゆ式Blu-ray BOX スペシャルプライス版 とーとつにエジプト神 Blu-ray 直球表題ロボットアニメ 全話いっき見ブルーレイ 未来ロボ ダルタニアス 一挙見Blu-ray VOL.1 シュヴァルツェスマーケン 全話見Blu-ray ワールドトリガー一挙見Blu‐ray VOL.1 異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 魔王プレイボックス 初回生産限定 トータル・イクリプス 全話見Blu-ray Blu-ray Cutie Honey Universe Complete Edition 夜ノヤッターマン 全話いっき見ブルーレイ こみっくがーるず Blu-ray BOX 初回生産限定 Blu-ray 幼女社長 むじなカンパニーセット 初回生産限定 ログ・ホライズン 円卓崩壊 Blu-ray BOX 七つの大罪 憤怒の審判 Blu-ray BOX I Blu-ray 水樹奈々 NANA ACOUSTIC ONLINE 『Dr.STONE』2nd SEASON Blu-ray BOX【初回生産限定版】 魔術士オーフェンはぐれ旅 キムラック編 Blu‐ray BOX 今井麻美 Winter Live「Flow of time」 - 2019.12.26 at EX THEATER ROPPONGI - Blu-ray盤 Blu-ray 仮面ライダーゼロワン ショートアニメ EVERYONE'S DAILY LIFE 仮面ライダー一挙見Blu-ray 1号 2号・V3編 仮面ライダー一挙見Blu-ray X・アマゾン・ストロンガー編 スーパー戦隊一挙見Blu-ray 1975-1981 スーパー戦隊一挙見Blu-ray 1982-1986 半妖の夜叉姫 Blu-ray Disc BOX 1 完全生産限定版 裏世界ピクニック Blu-ray BOX上巻 初回生産限定 Levius レビウス Blu-ray BOX【期間限定版】 スーパー戦隊 学研の図鑑 江口寿史美人画集 彼女 アニメディスクガイド80's レコード針の音が聴こえる necomi画集 PHONOGRAPHIC フルーツバスケット アニメ2nd season 高屋奈月 Illustrations 2 彼女、お借りします TVアニメ第1期 公式設定資料集 ドラゴンボール 超戦士シールウエハースZ 超シールガイド ガンダムアーカイヴス『ガンダムビルドシリーズ』編 Angel Beats! 天使画集 Angel Diary PANZER FRAULEIN 野上武志画集 【陸編】 Angel's cage るび様画集 Sweet Dream はすね画集 画集 制服Girl's▼コレクション もりょ作品集 異世界ファンタジーのキャラクターコレクション 劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」公式ビジュアルBOOK アイドルマスター シャイニーカラーズ イラストレーション ワークス VOL.2 Blu-rayDisc付き 八十亀ちゃんかんさつにっき 10 特装版 あんさんぶるスターズ! Ready For Star 2巻 缶バッジ付 Switch エーペックスレジェンズ チャンピオンエディション New ポケモンスナップ -Switch 【PS4】BIOHAZARD VILLAGE PLAMAX 聖戦士ダンバイン サーバイン ノンスケール PS製 組み立て式プラスチックモデル スーパーミニプラ 無敵ロボ トライダーG7 3個入りBOX 魔道祖師 前塵編 完全生産限定版 HGUC 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ Ξガンダム MG 機動戦士ガンダムSEED モビルジン 1/100スケール カンチ 青 ノンスケール ABS&ダイキャスト製 塗装済み完成品 ☆赤ver 魔女の旅々17 ドラマCD付き特装版 クリストファー・ノーランの世界 メイキング・オブ・インターステラー BEYOND TIME AND SPACE 時空を超えて るるぶアズールレーン からかい上手の高木さん15からかいカレンダーカード付き特別版 「武装神姫」原案イラスト集 ALLSTARS 機動戦士ガンダム サンダーボルト 17 キャラクターブック付き限定版 とある科学の超電磁砲T OFFICIAL VISUAL BOOK Aqours 5周年記念アニメーションPV付きシングル「smile smile ship Start!」【BD付】
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一挙放送 放送日 話数 1 2 3 4 5 2017/09/09 1~24 93.3 5.0 0.8 0.3 0.6 2017/09/10 25~52 95.5 3.4 0.6 0.1 0.4
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登録日:2012/04/04(水) 10 40 30 更新日:2024/03/19 Tue 00 12 49NEW! 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 まさに『厨』具 チートアイテム 不老不死 中華一番! 中華一番!極 中華料理 伝説の厨具 厨具 呪われた装備 好! 無駄にスケールが大きい 真・中華一番! 調理器具 伝説の厨具とは――。 1000年前、宇宙から降ってきた隕鉄を 伝説の名厨師シュウリが打ち出した調理器具である 【概要】 伝説の廚具とは『真・中華一番』に登場した8種のアイテム群。 「若く有能な厨師(料理人)が八厨具全てを使って作った料理を食べると不老不死になれる」という伝承が中国全土を巡り、権力者達が不老不死を求め捜索活動がなされた。 また厨具自体が意志を持っており、誰でも扱うことはできず、扱える資格を持つ者は上記の伝承通りとなる。 なおチョウユさんは若くない為に伝承に該当しないから無理だとは言ってはいけない。 + その正体 「真」の続編となる「極」において明かされた正体は、扱う料理人の命を吸い取って機能する呪われたアイテム。 極上の料理を作り出す代償として料理人の生命を蝕み死に追いやる……その危険性ゆえに、作り出したシュウリ自身が破壊しようと試みたが生涯をかけても果たせず、封印せざるを得なかった曰くつきの代物である。 その真の効果は「食材の持つ薬効を極限まで増幅する」というもの。 これは人体にとって有益な効果だけでなく毒性までをも増幅してしまう諸刃の剣でもあり、もしその薬効を調理や食べ合わせの時点で最大限高めるように工夫して作られた料理にこれを用いた場合、薬効と同時に増幅された毒性によって凄まじい副作用に悶え苦しむこととなる。 一方で「不死の肉体を得る」という伝承に関しては事実ではあるが、そのためには「完璧に完成された専用の料理」を作る必要があるらしく、不完全な情報と推定に基づいて作られた試作品を食べても単に寿命が延びるだけ、それどころか前述の副作用による壮絶な苦しみによる生き地獄が待っている。 その「不死を得る料理」の奥義は生前のシュウリが木簡に綴った「八極聖典」に記されているとされ、現在は不用意に世に出ることがないように厨林寺奥院の八霊塔に封じられている。 紆余曲折の末、ついにマオたち一行の手で封印が解かれたが、その内容はイラストでは「西夏語(*1)」らしき文字で表記されており、特別な能力を持った人間でなければ読み解くことは不可能であるとされる。 またシュウリの血族であるとされる太極料理界の鳳凰厨師は各々一つの厨具の「真の継承者」であり、厨具の真なる力を引き出すことができる。 【厨具一覧】 1.永霊刀 魚介類に特異な作用を及ぼす中華包丁。 その効果は「失われた時間を取り戻し、最高鮮度にする」と伝えられており、切った魚介類を一瞬にして最高鮮度に戻すことができる。 継承者が手にした場合刀身に「覇龍紋」と呼ばれる龍の絵が浮かび上がる。逆にその資格なき者が奪おうとした場合その命を吸い取って殺害しようとするなど危険な存在にもなる。 封印場所は広州。 ルオウと広厨連が厳重に管理しており、親善刀工勝負に勝利し尚且つ厨具自身に認められなければ使えない。 継承者は「雲裏金剛」スワン。 2.転龍壺 宇宙の気を集め、素材の熟成・発酵を加速させる壺。 試しにマオが菊下醤という菊下楼秘伝のタレを作ったところ、一瞬で完成した。 永霊刀のように厳重な管理はされておらず、上海の山中でカラクリ地蔵の裏に放置されていた。 上海での裏料理界との決戦後はサンチェの実家の蔵で厳重に保管されていたが、「極」の時代に突如としてヒビが入る異変が起きたことで再びサンチェが旅に出るきっかけを作ることとなる。 継承者は「霹靂火」ラモン。 3.魔聖銅器 真名は「白虎壷」 入れるだけでフカヒレやアワビ、ツバメの巣等の乾貨(*2)を一瞬にして戻す壺。 かつてマオ達の活躍で悪事を暴かれて行くアテを失くしたセイヨは、この厨具の力を悪用して『アワビ魔神』を名乗り、ある山村の村人から金品を絞りとっていた。 金物屋に溶かされそうになったとき、セイヨが銅器を気に入り引き取ったらしく、「厨具が恩を感じ膨大な力を少しだけ貸したのだろう」とシェルが推測していた。実際には先述の通り生みの親であるシュウリですら破壊を諦めた代物であり鋳溶かされる心配など最初から無かったわけで、なぜセイヨのようなドサンピンに扱うことができたのかが今後の重大な伏線になってくると思われる。 継承者は「母大虫」ジェラン。 4.迦楼羅刀 永霊刀と対をなす中華包丁。 こちらは鳥獣に特異な作用を及ぼし、切った鳥獣の肉を一瞬にして最高鮮度に戻す事が出来る。 永霊刀同様継承者が手にした時は刀身に「瑞鳳紋」と呼ばれる鳳凰の絵が浮かび上がるのが特徴。 山中の滝裏の小さな洞穴の中に封印され、さらに蛇が厨具を護っていたがシロウの奮闘で入手。 しかし龍厨師が盛大に滝へ投下して再封印される。 最終決戦でページ外にて活躍したらしいが、一人石化を免れたのに次は万里の長城から投げ捨てられるという、かなり不憫な子。 継承者は「混世魔王」ケイカ。 5.貪狼壺 食材を中に放り込むと所有者の思い通りに食材をみじん切りやミンチにしてくれるミキサーやフードプロセッサーのような壺。 泰山にて七重封印がされており、優れた厨師でなくては破れないがエンセイが一人で突破して入手した。 続編の『中華一番!極』で明かされたその真価は楽器。 使い手の鳴らす鈴の音に合わせて変幻自在に回転速度やパワーを変化させられるという特性があり、これによって貪狼壺1つでカカオ豆からチョコレートへの精錬・加工を完結させてしまうことも可能なトンデモ調理器具であった。 継承者は「神行太保」ヒョウカ。 6.霊蔵庫 「中に入れられた食材は永遠の鮮度を保つ」と伝承されている金色の箱。戸の表面には龍のレリーフが彫りこまれている。 永霊刀や迦楼羅刀と効力は似ているが、包丁は鮮度を戻すのに対して霊蔵庫は鮮度を保つ為、裁いて保管しておくなどに活用出来る。 名前から分かる通り元ネタは冷蔵庫と思われる。 継承者は「母夜叉」アルニャン。 7・8.玉龍鍋 「その所有者、八厨具全ての主とならん」と伝えられる双鍋。 作中では最後に登場し、紫禁城にて管理されているが効力は不明のまま連載は終了した。 おそらく(当)の玉みたいなもんだろう。 効力は凄まじいが所有者を選び半端な人物で効力が働かない。 継承者は「托塔天王」タイと「神機軍師」ウー。 【所有者】 裏料理界の人物でも使う事が出来る為、主に料理の腕が重要視されている。 作中では ・マオ ・レオン ・シェル ・カイユ ・エンセイ ・チョウユ ・フェイ ・セイヨ と頂上クラスの料理人しか出来なかったがセイヨの場合は厨具の恩であり腕ではない。 注意点は調理以外の事に使うと霊力を失い石になる、包丁で切腹した場面があり血に作用すると推測されいる。 …が、誇り高き厨師が素手と素手で競ったその時の気迫は、伝説の厨具をも凌ぐとされている。 続編の『中華一番!極』では石化した厨具に再生の兆しが見えている。が、同時に「太極料理界」から狙われることになる。 裏料理界は伝説の厨具を使用して作った料理により権威を掌握して、表の料理界、ひいては中国全土を支配することを目的としていたが、 太極料理界は厨具及び厨具に認められるだけの腕を持つ料理人を集めて、不老不死の人間を量産して武力による世界征服を企んでいる。 更に、伝説の厨具を使い続けたものは、使っただけ己の命を縮め、しかも、厨具で作った料理を食しても厨師自身の寿命は延びないことが判明した。 厨具は厨師の命の長さと執念を瞬時に察し、若く強い魂であるほどに大きな力を与える。 誇り高きアニヲタが素手と素手で追記、修正した時それは、伝説の追記、修正をも凌ぐのさ △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 調理器具が伝説のアイテムの様に扱われるとは、料理漫画とはいえスケールがデカい。厨二設定付ければ、面白くもなるな -- 名無しさん (2014-02-06 18 46 46) 結局あと一つ見つかってないんだっけ -- 名無しさん (2014-02-06 18 52 03) ↑玉龍鍋が双鍋で2つ -- 名無しさん (2014-05-27 20 20 56) ネトゲの壊れ性能のアイテムの説明かと思った -- 名無しさん (2014-05-27 20 23 32) 打ち切りの影響で貪狼壺・霊蔵庫の件とか玉龍鍋の効果とかやっつけ感が漂う…筋書き的に迦楼羅刀の話あたりで打ち切りが決まって、たぶん打ち切りにならなければ実はエンセイがマオの父親でしたーって展開になってたんだろうな。実際マオの父親が裏料理界の側として立ち塞がるってプロットがあったって単行本に書いてあったし -- 名無しさん (2017-08-22 19 55 46) とりあえず極で色々掘り下げられるだろうから期待したい -- 名無しさん (2020-01-08 21 25 13) セイヨの寿命がヤバいw -- 名無しさん (2021-01-18 14 16 00) 『真』連載当時は「8つの厨具だってのに7つしか出てないのおかしくね?」と思ってたけど、そうか。納得いった。8つ目の『厨具』はそれを存分に使える『人間』だったんだ…! -- 名無しさん (2021-03-12 09 44 13) やっぱり8つ目別で存在したね -- 名無しさん (2023-08-10 20 33 37) 極みで料理人の寿命を吸い取るのが判明したけど獣の槍かいな。 -- 名無しさん (2023-11-11 20 21 51) ↑↑フェイルセーフだろうね。7つの厨具が全て悪人に奪われた時+「8つ目」たる人間が悪人だった時の為の。 -- 名無しさん (2023-11-11 20 58 27) ↑な -- 名無しさん (2024-01-26 19 26 20) ↑黄金勇者ゴルドランのキャプテンシャークみたいな…… -- 名無しさん (2024-01-26 19 27 03) 名前 コメント
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その名前は表示されません。 解説 格闘ゲームに必ずと言っていいほど登場する中華風キャラクター達のみのトーナメント。 出場キャラクター数は8名といったミニトーナメントである。 参加条件がが中国ぽかったらOKと言う条件なので 8名全てが中国出身のキャラクターのみではないので注意。 また、大手中華キャラが何故かはぶられている。(うp主が素で忘れた) 出場キャラの内、1人はうp主操作である。 うp主は誰を使っているのか予想してみよう。 尚、ある出場キャラクターの名前にフィルターがかかっているので注意。 うp主は紅LunaStage3百周の刑な。 出場選手 + ... ユン その名前は表示されません。 有間都古 蔵土縁紗夢 東方不敗マスター・アジア 桃 泪泪 椎拳崇 はぶられた奴ってレイレイ? -- 名無しさん (2008-07-06 17 23 50) 春麗じゃね -- 名無しさん (2008-07-06 17 26 21) 名前 コメント
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通常放送 第1期 話数 1 2 3 4 5 1 59.3 22.9 12.1 3.8 1.8 2 55.7 26.3 13.3 2.6 2.2 3 70.5 17.3 6.8 3.0 2.5 4 68.5 17.6 9.2 2.9 1.7 5 64.1 21.2 9.6 2.8 2.3 6 70.6 17.7 6.0 4.3 1.3 7 63.5 19.9 11.9 3.2 1.6 8 50.2 21.3 17.9 6.1 4.6 9 48.5 19.5 17.2 7.4 7.4 10 63.7 21.5 9.3 3.3 2.2 11 56.3 21.6 13.7 5.3 3.2 12 41.8 25.3 14.6 12.7 5.7 平均 59.39 21.01 11.80 4.78 3.04 第2期 話数 1 2 3 4 5 13 65.2 19.1 10.7 3.0 2.0 14 62.4 22.3 9.1 3.3 2.8 15 64.9 18.4 8.5 4.4 3.8 16 74.3 13.5 7.5 3.0 1.8 17 59.5 20.4 11.7 4.1 4.4 18 70.3 13.0 8.2 4.2 4.2 19 68.0 15.5 9.4 3.6 3.6 20 69.5 14.9 9.2 3.5 2.9 21 76.1 10.2 7.7 2.6 3.4 22 71.3 16.4 7.2 3.1 2.0 23 71.9 14.1 8.0 3.1 3.1 24 61.3 14.9 11.9 6.3 5.7 平均 67.89 16.06 9.09 3.68 3.31
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最終話 夢を紡ぐ者 陽泉酒家。 マオは眠りこけていた。 メイリィ「マオ!!起きなさいったら!!ねぇマオ―――――ッ」 「今日か何の日かわかってるの?カリンお姉さんもリー提督も御到着よ!!・・・・・もう・・・広州に帰ってきてから寝てばっかり・・」 「ねぇマオ~~~~~ん♡起♡き♡て♡」 マオ「うう~ん母さん、その変な声のネコ追い出してよ」 メイリィ「・・・・・・」 (ムリもないわね・・・あの全霊を出し尽くした『万里の長城』決戦から――――まだ半月だもんね・・・) メイリィ(―――そう、マオ、フェイの宿星決戦となった決勝戦を前に、フェイさんはいきなり‘伝説の厨具‘『迦桜羅刀』を谷底へ投げ捨て言った・・・) マオ「フェイさん!!」 フェイ「実はな・・・マオ・・・お前の母、パイ仙女なくば――――」 「オレもあのカイユと同じ運命を辿っていたのかもしれないのさ・・・・」 パイがかってアルカンと引き分けた際に抱えていた赤子がフェイだったのだ。 マオ「え・・・・!?」 フェイ「過去のしがらみだとか‘伝説‘だとかは、時に人を束縛する・・・・・だがどんな束縛も、オレたちの‘魂‘までは縛ることはできない・・・今この勝負から、オレたちの信じる‘中華‘の未来を切り開こう、マオ・・・・!!」 マオ「フェイさん・・!!」 メイリィ(―――それはもはや技術の競い合いを超越した‘魂‘と‘魂‘のぶつかり合いだった・・・!!パイ仙女の‘魂‘を継ぐ者どうしの・・・・・) メイリィ「・・・・・・」 マオ「・・・・・・」 メイリィ(たくさんの料理勝負をずっと見守ってきたけど・・・いちばんステキだったよ・・・あの時のマオ・・・・・) メイリィが眠るマオにキスを―――― しようとした所にシロウが来た。 シロウ「マオ兄!!いつまで寝てんだよ、もうみんな席ついてるって!!」 メイリィ「・・・!!」 シロウはメイリィを押しのけ、寝ぼけ眼のマオを引き立てていった。 シロウ「早く早く!!」 メイリィ「・・・・・あ・・ね、ねェシロウ・・・」 (み・・・みられたかな・・・) 食堂には、カリンやレオン、シェルにリー達が集まっていた。 シロウ達「「「宮廷料理人『龍厨師』拝命――――――恭喜恭喜(おめでとう)、マオ―――――!!」」」 マオ「ど・・・どうもありがとうみんな・・・」 シェル「すさまじい闘いだったぜ、『万里の長城』決戦・・・・!!」 レオン「とうとう『龍厨師』にまで登りつめたかマオ・・・・・あのカイユを・・・・‘裏料理界‘を・・・ついに倒したなマオ・・・・!!」 マオ「レオンさん・・・」 レオンがマオの手を握った。 サンチェ「しかも若き天才『龍厨師』フェイを相手に一歩もひけをとらん―――見事な料理闘いぶり・・!!」 シェル「この黒星の雪辱も果たせねェうちに、まァた大きく差(リード)奪われちまったなァ・・!!」 シロウ「マオ兄ならやると思ってたよ――――!!一生ついていきます師匠――――!!」 リー「・・・・フッ・・・思い出す・・・四川『菊下楼』で初めて会った時を・・・・・まだ母親の敵討ちにはやる闘志ムキ出しの子供だったなマオ・・・・」 マオ「リー提督・・・・・・」 メイリィ「広州にでて来たての頃なんて右も左もわからないイナカ者で、あたしがぜーんぶ案内したんだから!!」 ルオウ「じゃが‘陽泉(うち)‘に入門後の成長はめざましかったのォ・・・・・!!」 チョウユ「確かに・・・・・!!」 カリン「・・・・あたしがいなきゃ何にもできないあのマオが・・・・・!!」 ルオウ「とうとうパイ仙女から継いだ夢を完成させたなマオ!!」 「―――さて、龍厨師殿に一品調理(つく)ってもらおうかの。何を所望する、チョウユ?」 チョウユ「よーし・・まずは、チンゲン菜でも炒めてもらおうか」 マオ「チョ・・・・チョウユさん・・・・」 翌朝。 馬を連れて、立っていたフェイの所にマオが来た。 フェイ「いいのか・・・・?黙って『陽泉酒家(みせ)』を抜け出して・・・」 マオ「フェイさんこそいいの・・・・?とうとう宮廷厨房の副料理長にまで昇格したのに、全部捨てて、広州(ここ)まで来ちゃって・・・ フェイ「しょせんは引き分けで得たものさ、大したことじゃない・・変装してまで参加したんだ。あの決勝では白黒キッチリつけたかったよ」 マオ「フェ・・フェイさんあまり納得してなかったんだ・・・ぼ、僕は引き分けでもよかったんだけどな・・・」 フェイ「だいたい、料理人の‘位‘など初めからオレにはどうでもいいことだ。オレが宮廷に入ったのは――――このためさ・・・・・!!」 フェイが連れた馬の後ろの車には、大量の書物が積まれていた。 マオ「こ・・・これが・・・!!」 フェイ「そう・・・宮廷料理として各地から吸収され封印された料理、全三千品目の調理法・・・書き写すのに丸一年かかった・・・オレはこの、宮廷に封じられ二度と世に出るはずのない名菜の数々を、再び大陸虫に開放して回りたいんだ・・・・」 マオ「・・・・スゴイや・・それがフェイさんが‘裏‘打倒の後、叶えたかった夢なんだね・・」 「・・・・・・僕はね・・・・フェイさん・・・あの‘裏料理界‘を闘って倒し、フェイさんんと約束した再勝負も実現したとき、何だか‘夢‘を果たし終えて―――――カラッポになっちゃったような気がしてたんだ・・・・」 フェイ「・・・・」 マオ・・・・でも今はわかる・・・・それは違うって・・・だって・・・」 マオがこれまで出会い、料理を振る舞い、料理で闘ってきた者達もそれぞれの道を歩いていた。 マオが再会へ導いたイグルとライアの夫婦は、新たに生まれた赤子を抱いていた。 ニワトリタウンでは、ティアが街の皆と一緒に、烏骨鶏の飼育に務めている。 『梁山伯』からマオ達を逃がすためにその命を燃やし尽くしたと思われたアルカンも、左足を失いながらも、リコと共に人混みの中を歩いていた。 そして、エンセイ達はカイユを弔っていた――― マオ「また大きく豊かな‘夢‘を紡げばいいんだ・・・そしてまた人を幸せにすればいいんだ・・・・・!!」 「そう決めたんだ。だから僕、フェイさんと一緒に行くよ・・・・!!」 マオはショウアンから託されたものと西南で手に入れた、パイの二冊の料理書を持ってきていた。 フェイ「・・・・?何だそれは?」 マオ「母さんの残した料理書なんだ。母さんが作った料理、学んだ料理。そしてその想い出が細かく記録されている・・・だから、ほら僕も――――」 マオは、新しい冊子も大量に持ってきていた。 フェイ「・・・・・!!」 マオ「まだ真っ白い冊子(ノート)だけど、これに僕は――――母さんの何十倍も、新しい料理(ゆめ)を描いていきたい・・・・!!」 フェイ「そうか・・・・ならばかけようマオ。オレたちで・・・この大陸に幸福をつなぐ味のかけ橋を・・・・・・!!」 マオ「うんフェイさん・・!!」 シェル「おいおいそんな楽しそうな‘夢‘――――お前らだけで追いかける気か・・・・・・?」 門の方で、シェルとレオン、サンチェにシロウ、元‘裏料理界‘五虎星のジュチとミラ、チョウユとルオウ、そしてメイリィが待ち構えていた。 マオ「み・・・・みんな・・・!!」 シェル「一人増えりゃ」 レオン「ひとつ多くの‘橋‘がかかる」 シロウ「マオ兄は、オレがいなけりゃダメなんだい!!」 メイリィ「置いていこうたって、そうはいかないんだから!!」 マオ「き・・・来てくれるの・・!?」 メイリィ「来るなって言ったってついてくもん!!」 マオ「好!!!」 マオ達は、新たな旅へと旅立っていった―――――― 真・中華一番! おわり
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マオ「雲南省の省都、昆明に到着した僕たちはその日、宿泊先で仕事の依頼を受けた。それで明日から数日間、昆明郊外にある「星漢村」の名士、揚氏宅に泊まりこんで、朝晩の料理を担当することになったんだ」 「西華旅社」という菜館でマオとシロウが夕食を食べていた。 シロウ「幸運だったねマオ兄!!」 マオ「うん、ほとんど路銀が底ついてたからね。うまい具合に仕事が見つかって助かったよ。 男性「・・・・」 マオ「しかしこの宿の食事は旨いね。特にこのつけ麺・・・!!」 シロウ「そうそう、スープがいつまでも熱々で冷めないし」 マオ「米の麺というのも珍しいよ」 女性店員「フフ・・・これは雲南名菜で‘渡橋麺‘っていうのよ」 マオ「‘渡橋麺‘!?」 女性店員「そう・・・昔、この地方に湖の孤島の書斎で科挙の受験勉強に励む若者がいたの・・・」 第35話 星の彼方 女性店員「彼の妻は毎日孤島へ食事を運んだけど運ぶ途中でどうしても冷めてしまう。何とか夫にあたたかい料理を届けたいと思った彼は一案を思いついたの。黄色い鶏油(ジーユー)が浮くほどの熱い鶏スープを作り、別にゆでたそばと煮た鶏肉を添えて運んだのよ」 「鶏の脂が表面を覆ってスープは冷めず、麺もその場でつけるのでのびない。大変喜んだ夫は妻に料理名をたずねた・・・妻はいつも渡るその橋から‘渡橋麺‘と名づけたそうよ。ね、ね、ロマンチックな‘愛の麺‘が橋を渡るのよ・・・!!」 シロウ「・・・なんかウソくせーよ。ありがちじゃん、そういう作り話」 女性店員「夢のないガキね!!」 女性店員が菜譜をへし折った。 男「う・・・うう・・・くく・・・うおお・・・・!!い・・いい話です。何度聞いても涙が止まりません・・・!!」 マオとシロウと相席だった男が大泣きしていた。 シロウ「・・・・」 男「く・・・・くう~~~~」 女性店員「・・・またか・・・・いいかげんにしてほしいわ」 シロウ「何なの、あの人?」 女性店員「何でも・・北京へ何年か行ってたとかで最近帰郷してきたらしいんだけどもう一週間もこの宿屋に滞在してんのよ。家へも帰らないで・・・・」 男「う・・・うう、ティアさん。許して下さい、僕を許して・・・」 女性店員「毎日ああやって飲んだくれて、急に泣き出したり謎のうわごとつぶやいたり・・・あぶないのよ・・・やたら宿の中うろついて他の客にも迷惑だし・・・そろそろ出てってもらわないとねー」 男「ぬお―――っ」 シロウ「何か・・悩みでもあるのかな~」 女性店員「さーね、キョーミないわ」 マオ「・・・・・」 シロウ「マ、マオ兄。屋台街へでもくり出そうよ。ちょっと気分が湿っちゃったよ」 マオ「う・・うん・・・」 マオ「な、何でこんなにバカみたいに買いこむんだよ、もう一文無しだよ!!」 シロウ「大丈夫大丈夫、また明日から星漢村でたっぷり稼げるんだから」 シロウ「!?」 マオとシロウが部屋に入ると、あの男が寝ていた。 シロウ「さ、さっきの兄ちゃん・・・!!こら――――!!他人の部屋で勝手に寝るな――――!!」 「~~だめだ、マオ兄、泥酔してる・・・」 マオ「仕方ない・・とりあえず寝台に・・・」 シロウ「もー、めんどくさいねー」 マオ「揚さんの家でなに作ろうかな・・・・」 シロウ「このもちもおいしいな・・・」 男「そ、そんなライアさん・・・待って下さい、あ・・・ちょっと・・・・!!ラ、ライアさァん!!」 男が飛び起きた。 男「あ・・・・」 シロウ「ねえ、ライアさんて」 マオ「誰・・・?」 男がマオとシロウの手を取った。 マオ・シロウ「「!?」」 男「・・・・・!!ありがとう、ありがとう・・・・!!誰も訊いてくれなくて・・・・!!」 男ことイグルが語り始めた。 イグル「ライアさんは・・・僕、イグルの生まれたこの近くの村に住んでいるはずの僕の婚約者です・・・」 マオ「婚約者・・・・!?」 イグル「ふ・・・美人で上品で、体型(プロポーション)抜群で気立てがよくて料理が上手で声が可愛くて、白鷺が舞うように動きカナリアがさえずるように歌う、僕にはもったいないくらいの女性でした・・・」 マオ「・・・・」 イグル「いや、そもそも彼女は名家の生まれで僕のような貧乏書生にはとてもとても手の届く人じゃなかったんんです。それなのに・・・僕が科挙の受験勉強をしてるいると毎晩のように家をぬけ出してきて・・・」 ライア「イグルさん・・・いる?いつもの夜食とこっちはお茶ね・・・♡」 イグル「い・・・いつもすみません、お嬢さん・・・!!」 ライア「お・・おいしい・・?」 イグル「て、帝都の行程でもこんなご馳走は口にできますまい・・・!!」 ライア「大げさなんだから・・・!!」 イグル「彼女の家は川の対岸だったから、運ぶ間に冷めないようにと、いつも饅頭の生地の中にスープを閉じこめて持ってきてくれるんです。口の中で生地が破れ、一杯に広がる熱いスープの豊かなコク・・・実際、極上の味でした・・・」 マオ「ま・・・まるで‘渡橋麺‘を地で行く話だ・・・」 シロウ「ほんとにいんのか、そんな女・・・!!」 ライア「ね、イグルさん、明日も来ていい?迷惑じゃないかしら・・・」 イグル「ライアさん!どうして僕なんかのためにそれほど・・・」 ライア「そ・・・それは・・・無目的に昆名(まち)で遊んでる村の男達と違って・・・その・・あなたが―――一途な夢を持ってるからなの・・・昼間の畑仕事でボロボロになった体にムチ打ち、毎晩命を削って書物と向かい合ってる―――そんなあなたの一途さを想う度・・・あたし・・胸が張り裂けるように切なくて・・・」 ライアがイグルの手を取った。 イグル「!!」 ライア「お願い・・・もし迷惑じゃなかったら、あなたの夢を応援させて・・・!!」 イグル「ラ、ライアさん・・・」 シロウ「でも、さっききいた話だと、あんた北京へ何年も行ってたって・・」 イグル「・・・そうなんです・・・それが・・間違いだったのかもしれません・・」 「彼女の応援が何よりの支えとなって、僕は郷次(科挙の一次試験)に合格・・・ライアさんは自分のことのように喜んでくれました・・・」 「その晩、僕の求婚を彼女は喜びの涙で頬を濡らしながら、受け入れてくれたのです」 イグル「ライアさん・・・僕にはあなたが必要だ・・・!!一生そばにいてほしい・・・!!」 ライア「イ・・・イグルさん・・・!!」 イグル「会試(二次試験)と殿試(最終試験)は北京で行われます」 イグル「必ず‘凱旋‘してあなたを幸せにしてみせる・・・!!」 ライア「思う存分頑張って・・・!!ずっと待ってるから・・・!!」 イグル「彼女の愛と村中の期待を一身に、僕は北京へ旅立ちました」 「北京・・・!!中国四千年の叡智と文化―――その全てが結集された煌びやかな都に僕の胸は高鳴りました。あまたの文物、巨大な建造物、洗練された人々・・・田舎育ちの僕には何もかも刺激的すぎたのです。それでも初めはライアさんからの手紙を励みに猛勉強し、‘会試‘は順調に突破しました。しかし・・・!!」 「その頃を境に僕の心を都そのものが急速に支配するようになり、愚かにも故郷への想いは徐々に薄らいでいったのです」 「二年・・三年・・・と徒会の生活に浸るうち、ライアさんから届く手紙への返事さえ忘れがちになり、 ついには彼女からの手紙も途絶えました・・・そして今回ようやく‘殿試‘に合格し故郷に錦を飾ろうと主撃った時、初めて自分の犯してきた過ちに気づいたのです」 マオ「で、‘殿試‘に合格!?す、すごい~~~~」 シロウ「何だよ、めでたく受かったんならとっととそのライアさんて人に報告に行けばいいじゃないか」 イグル「わからないのですか!?あなた達には僕の気持ちが!!故郷を離れて五年、彼女との連絡が途絶えて二年・・・ライアさんの村一番の器量良し、 しかももう‘適婚期‘を過ぎかけた女盛り・・・今頃はもしかして僕以外の男性と・・・」 「・・・だとしたら、‘凱旋‘どころか僕はただの‘道化師‘です・・・だから懐かしい星漢村にも脚を踏み入れられず、こうして・・・」 マオ「・・・ん!?星漢村・・・・!? シロウ「星漢村なら明日オレたちが仕事で行くところだよ」 マオ「揚さん邸で料理を作るんだ」 イグル「え!?ヤ・・・揚さん・・・・!?」 翌朝。 マオ「まさか揚さんのところのお嬢さんがライアさんだったとはね・・・」 イグル「婚約したとき、これと同じ神樹の腕輪を彼女と交換しました。彼女が僕を忘れてないなら、腕にはめているはずです」 マオ「とにかく約束したんだ、ライアさんの気持ちを確かめないと・・・」 シロウ「イグル兄ちゃんにいい報告ができるといいね、マオ兄」 「へェー・・・この川が「小銀河」かァ・・・」 「何でそんな名前つけたんだろうね?」 「さあ・・・」 「村の名前も「星漢」(=銀河)だし、何か由来はあるんだろうね」 「ライアさんはこの橋を渡って饅頭を届けたのかな」 「かもね・・・」 星漢村、揚氏邸。 揚「いやいや・・・お待ちいたしておりました、劉師傅。遠路はるばるようこそ・・・!!わたくしがヤンでございます、おウワサはかねがね・・・」 「おーい、ライア!!ライアはおらんか――――!!おまえも挨拶なさい」 マオ・シロウ「「!!」」 ライア「あら、お父さま、もういらしたの?」 マオ「!!」 ライア「娘のライアです、お会いできて光栄ですわ♡かわいいコックさんに!!」 シロウ(イ、イグル兄ちゃんのノロケ話、マジだったのか・・・!!) マオ(風の吹き抜けるような美人だ・・・) シロウ(マ、マオ兄、神樹の腕輪・・・・!!) マオ(し・・・してない・・・!!ってことは・・・!!) 揚「これから一週間くらい、この娘のことで人の出入りも多いもので・・・料理の方、よろしくお願いします」 シロウ「やべえよ・・・」 その後、ライアの元に5人の男達が集ってきた。 シロウ(マ、マオ兄・・何だこの張りつめた空気は・・・!!) マオ(わ、わかんないけど、何かイヤな予感が・・・・) 揚「さァ、ライア、どの肩にもらっていただくのだ?」 マオ・シロウ「「はう!!」」 ライア「・・・・・」 揚「私もいいかげん初孫の顔を拝まんと不安でな・・皆さんへのお返事もそういつまでもお待ちいただくわけにもいくまい、ライア。 おまえのような嫁に行き遅れた娘に―――こんなに立派な青年達が名乗りを挙げて下さっているのだぞ。滅多にある話ではあるまい・・・」 村役場勤務、ハリィ(29)「ライアお嬢さん、迷うことはありません。この心も体も全てあなたのものです・・・!!」 医師、グレイ(21)「小指の糸をしっかりたぐって下さい、私と結ばれる運命に気づくはずだ」 占星術師、ケイ(25)「あなたの未来が見える・・・私の懐の中にあなたがいる・・・」 清朝武官、チュン(30)「ぼ・・僕は・・・僕は死にましょん!!あなたが好きだから!!」 商人、ソウキョ(25)「五十年後の君も今と変わらず愛している!!」 ライア「・・・・わかりました。あと・・・三日ほどお時間いただけますか・・・?三日後の夜、どなたにもらっていただくとはっきりとお返事いたします・・・!!ごめんなさい、まだ決めかねちゃって♡」 男達「「「おお・・・・!!」」」 シロウ「どうすんだよ、マオ兄・・・神樹の腕輪もしてなかったし・・それに見たろ?さっきのライアさん。あれは本気であの五人のうち誰にしようか迷ってる様子だった・・・!!いや・・たぶんもう二人ぐらいにしぼってあって、どっちにするかをあと三日で決めるって感じだ・・・・!!」 マオ「確かに・・・まさか・・・もう、イグルさんのことは完全にふっ切れちゃったのかな・・・」 シロウ「あるいは全部イグル兄ちゃんの妄想だったとか」 マオ「そりゃひどいよ、シロー」 シロウ「どうすんだよ、マオ兄」 マオ「うーん・・・・・・ありのままを報告するしかないよ・・・」 報告を受けたイグルは、驚愕し、気絶した。 シロウ「イグル兄ちゃん!!しっかりしろ!!人生ライアさんだけじゃないよ!!」 イグルはシロウのビンタでたたき起こされた。 イグル「・・・・・そうですか・・・・そんなに―――ふっ切れた表情で・・・ひ・・・ひとつだけ教えて下さい・・ライアさんは今でもキレイですか・・・」 マオ「そ・・・それはもう・・・!!」 シロウ「ハンパじゃないよな・・・・」 イグル「・・・・・」 イグルがマオの首を掴み、揺さぶりだした。 イグル「ほ、他に報告はないんですかマオ君!!肉まんを食べながらふと寂しそうな顔をしたとか、 窓から懐かしそうに「小銀河」にかかる橋を見てたとか、胸の谷間に何やら光る輪っからしきものが挟まってたとかァ」 マオ「ふ―――死ぬかと思った・・・」 シロウ「アブナすぎるぜあの兄ちゃん」 マオ「いいかシロウ、とにかく三日間ライアさんを張るぞ」 シロウ「応」 マオ「饅頭の中に何とスープを閉じこめてみました!!」 シロウ「おいしいでしょ!!」 ライア「とっても・・・♡」 マオ「・・・・そ、それだけ・・・!?」 シロウ「何か想い出さない!?」 シロウ「ライア姉ちゃん、オレいつか科挙を受けるよ。将来は北京へ行って高級官僚だい!!」 ライア「ホントに!?ガンバってね♡」 シロウ「・・・・!!」 入浴するライアをシロウが覗いている。 シロウ(うおお・・・・ライア姉ちゃん、着やせするタイプだったんだ・・・♡た、たまんねえよ) マオ「どうだシロウ、体のどこかに輪っかつけてないか・・・・?」 シロウ「乳輪なら見えるよ」 マオ「バカ―――――!!!」 シロウ「痛ッ」 ライア「すごいわマオ君、‘渡橋麺‘なんて作れるんだ。さすが特級厨師♡」 マオ「い・・・いや・・・そうじゃなくて・・・」 ライア「シロウくーん、気をつけてねー。川に落ちたら危ないわよ―――!!」 そして三日後・・・ マオ(だめだ・・・手のほどこしようもないほど、ふっ切れてる・・・) イグル「・・・・そうですか・・・三日間、何の変化もなく幸せそうに・・・・・ありがとう・・・何だか安心してしまいました・・・」 シロウ「・・・いちおう、今夜とび入りで参加してみたら?」 イグル「いえ・・・僕の出現はかえって彼女を不幸にするでしょう・・・もう・・・・いいです・・・彼女が本当に幸せであるなら、僕はそれでいいんです」 マオ「イグルさん、この腕輪借りていい?」 イグル「ええ・・・どこへでも持っていって下さい・・」 シロウ「マ、マオ兄どうすんのさ。今さらそんなもの・・」 マオ「いいかシロウ、時間は無いぞ。人を幸せにするのが料理・・・―――ならば時には――――人の本当の幸せを確認するのも、料理かもしれない・・・!!」 シロウ「マ・・マオ兄・・・!!」 グレイ達5人が集まり、ライアは花の冠を持っていた。 揚「さあ・・・いよいよだよライア・・・おまえの選んだ男性の首におかけしなさい」 ライア「はいお父様・・・・」 グレイ「・・・・」 ライア「・・・・・」 そこへ大鍋を持ったマオとシロウが入ってきた。 マオ「お待ちどうさまァ――――!!!ライアさん!!ある人からあなたへの婚約祝賀ッ料理!!お届けに参りました!!」 ライア「ある人・・・!?」 シロウ「見よ!!劉昴星特製、麺料理だい!!」 シロウが大鍋の蓋を取ると、その中は黒い液体で満ちていた。 揚「これはまた大きな鍋に真っ黒い液体・・・!!これは本当に料理ですか・・・・!?」 ライア「マ・・・マオ君、ある人って・・・!?」 ハリィ「あのね・・・リ・・・劉師傅、‘祝賀料理‘もいいんだが、今大事なところで・・・」 マオ「室内の明かりを全部消せ、シロウ!!」 シロウ「応!!」 シロウが明かりを消していった。 「な、何てことするんだ、劉師傅!!月明かりだけになっちゃったじゃないか!!」 チュン「え・・・・!?」 ケイ「あ・・・!!」 ソウキョ「ああッ!!」 「こ、これは宇宙!!銀河が卓上に煌めいている――――!!!」 「つ・・・月明かりに照らされ、巨大な器に無数の星々が瞬いて・・・!!」 「「宇宙」を見下ろすなんて!!なんという超現実(シュール)な光景なんだ!!」 マオ「‘銀河麺‘完成了(かんせい)!!」 シロウ「間に合った―――――!!」 マオ「ちょうちょうたり牽牛星、きょうきょうたり河漢の女。 繊繊として素手を挙げ、札札として機樗を弄す。 終日、章を成さず、泣沸零つること雨の如し」 (「文選」古詩十九首第十首) グレイ「そ、それが「七夕」伝説の・・・・!!」 マオ「そうです。器の中で‘銀河‘の両側にひときわ光を放つ二星こそ、牽牛星と織女星です。 伝説によれば天の川に隔てられた牽牛と織女は年に一度、七月七日にしか会えずとも、永遠の愛を貫いたといいます」 「なるほど・・・婚約する二人の永遠の愛を願っての祝賀料理とは・・・・!!」 「誰かは知らんがイキなヤツだ・・」 ライア「・・・・・」 「劉師傅!!」 「何故光るんだ!?」 「星屑のように光るこの物体は何なんだ!?」 ライア「・・・・」 マオ「・・・・・」 ライア「・・・・?」 マオ「まァとりあえず、冷めないうちにお食べ下さい」 揚「真っ黒な液体――――‘闇‘にまみれた麺とは・・・!!これは一体・・・・!?」 シロウ「その黒いのはイカスミさ、揚大人」 揚「ほう・・・・!!イカスミとは・・・・!!これはこれは珍しい・・・!!」 揚が麺をすすった。 揚「ほう・・・・!!なんとコクのある、不思議な味・・・・!!」 ハリィたち「おお・・・!!イカスミ独特の舌ざわりとコクを玉ねぎやニンニク他の調味料が見事なまでに引き立てている・・・!!」 「さらに濃厚な味に耐えるすさまじい麺のコシ!!」 「コクがあるのに決してしつこくない!!」 「食べ出したら止まらぬ旨さだ・・・・!!」 ライア「・・・・マ・・・マオ君・・・漆黒のイカスミの上で煌めくこの粉は・・・もしかして・・・」 マオ「それは真珠の粉です」 チュン「し・・・真珠・・・!!なんと破天荒な・・・・!!」 マオ「真珠は宝石だけでなく、食材としても―――特に解毒の薬膳として――――使われます。祝賀料理に煌びやかな華を添え、ライアさんの末長い長寿を願う依頼人の祈りがこめられています」 「見た目の神秘的な美しさにとどまらず、味と効能にまでスキのない配慮を・・・・!!」 「なんと貴重で格調高い料理だ・・・!!」 ハリィ「しかし内陸のこの地方では真珠なぞ滅多にお目にかかれない品物・・・どうやって手に入れたのだ・・・」 ライア(ま・・・まさか・・・) マオはイグルから預かった腕輪を見せた。 ライア「マ・・・マオ君・・・まさか・・・これは・・・」 マオ「ごめんなさい・・・大切な真珠・・・・砕いちゃいました・・・」 ライア「そ・・・その人は・・今どこに・・・!?」 マオ「河の向こうの旅籠に・・・」 ライア「・・・・・!!!マ、マオ君!!シロウ君!!ちょっとそこで待ってて!!」 マオ「!!・・・・・・!!」 シロウ「マオ兄・・・・!!」 揚「ラ、ライア!!どこへ行くのだ」 チュン「ライアさんお返事を!!」 ライア「私の答えは――――もう決まっています・・・!!」 イグルの元にシロウが駆け込んできた。 イグル「!!」 シロウ「イグル兄ちゃん!!これライアさんから」 イグル「え!?」 イグルに渡されたのは、真珠の腕輪を付けた包みだった。 イグル「シ・・・シロウ君、これは・・・ライアさんの・・・!!」 包みの中には饅頭が入っていた。 イグル「あ・・あ・・・ああ・・・!!」 イグルが饅頭を食べ、涙を流した。 イグル「う・・うう・・・!!ライアさん・・・!!」 (か・・・変わらない・・・!!あの頃のままの味だ・・・!!) イグルが外へ飛び出し、シロウが追いかける。 シロウ「ま、待ってくれよ―――イグルの兄ちゃ―――ん」 イグルが「小銀河」にかかる橋に着くと、そこにはライアとマオ達がいた。 イグルとライアが抱き合い、涙を流す。 ライア「・・・お・・・おかしいな・・・もう泣きすぎて、涙、枯れちゃってたはずだったのに・・・」 イグル「どれだけ言葉を尽くしても、僕の罪を消し去ることはできない・・・」 ライア「その罪は・・・一生かけて償ってね、イグルさん・・・」 イグル「ライアさん・・・」 ソウキョ「反則だぜイグル・・・今になって凱旋するなんて・・・」 チュン「‘大本命‘が現れちゃ撤退するしかねえか・・・」 マオ「まるで天の川にかかる橋のようだね」 シロウ「オレたちの往復した‘愛のかけ橋‘さ。マ・・・マオ兄・・・川に橋があんなにキレイに映って・・・」 マオ「なるほど・・・だから、『小銀河』っていうのか・・・」 翌朝。 マオ「夕べの宴会・・・イグルさん幸せそうだったね・・・」 シロウ「ライア姉ちゃんも輪をかけてキレイだったよ」 イグル「マオ君、シロウ君・・・君達への感謝の気持ちは筆舌に尽くし難い・・・!!とにかく飲んでくれ!!」 マオ「いや・・・お酒はまだ・・・」 チュン「イグルてめえ!!他人に飲ませてる場合じゃねえぞ!!飲むのはきさまだ!!」 ソウキョ「おりゃ」 イグル「ええ~~~~~!?もうカンベンしてよ~~~~!!」 チュン「だめだ!!ライアさんかっさらわれたオレらの悲しみごと全部飲みこめ!!」 ライア「五年も待たされたあたしの悲しみもよ♡」 イグル「そんな―――ライアさんまで――――」 揚「くう―――やっと孫の顔が拝めるわい!!」 マオ「・・・・」 (そういえばメイリィ・・・・元気にしてるかな・・・) 「・・・・」 メイリィ「マオのいない間にうんとお料理上達してるからね♡」 シロウ「え・・・・!?広州へ・・・!?」 マオ「へへ・・・急に懐かしくなってきちゃってね。シロウも行くだろ?」 シロウ「え!?オレも行っていいの!?」 マオ「まじめに修行するならね」 シロウ「先生!!一生ついていきます」 マオ「いちいちひっつくなよ、暑苦しいよ」 シロウ「そんな冷たいこと言わないでよマオ兄!!僕が行き倒れてもいいの!?」 マオとシロウは、広州への道を歩き出した―――― (真・中華一番!につづく)
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第1話 菊下楼を救え!! こんなことわざがあるのを御存じだろうか-―― 「日本人の妻をめとり、西洋館に住み、中国料理を食べる事こそ人生の至福である」 ギョウザやシュウマイ、ハルマキ・・・我々の食卓にもよくのぼり、誰もが親しみ好む中国料理。 横浜の中華街、神戸の南京町、サンフランシスコのチャイナタウン・・・中国料理は日本、アメリカのみならず、それぞれの風土に合わせて姿を変え、世界中に普及していった・・・ この世界無比といわれる脅威の料理の故郷―――中国・・・!! かつて中国四千年の料理大系が未曾有の完成期に向かって隆盛を極め、幾多の超人的な料理人達がしのぎを削って闘った時代があった・・・ 時は十九世紀―――清朝末期の動乱のさなか――― 帝都北京より遙か西南へ二千キロ――― 長江の源流ほとばしる霧深き‘天府の地‘からこの物語は始まる・・ 四川省奥地の小さな村に、その日霧をはらって昇った太陽は――― 少年の熱き心に新しい朝を告げていた・・・ 菜館・菊下朗。 カリン「マオ―――ッ、マオ――――ッ!?あれ――――・・・?どこ行っちゃったのかしら、あの子」 「・・・・・・!?」 女性、カリンが厨房を覗くと、様々な食材や皿が散らばっていた。 カリン「・・・・・ちょっとなによこれ―――ッ!? 「・・・・一晩で・・・よくこれだけ散らかせたものね」 「!!」 鍋を顔の上に敷いて、床で眠りこけている少年がいた。 カリン「・・・・もしもし?朝ですよ」 少年「ウッ・・・・!?」 カリンに鍋を叩かれ、少年、マオが飛び起きた。 マオ「・・・・・・!?姉ちゃん!!ヤツか!!ヤツが来たんだな!?チクショ―――――ッ、どっからでもかかってきやがれ、コノヤロ――――ッ。このマオが相手だ―――ッ」 カリン「なにねぼけてんの、あんたは。あの男が来るのは今日のお昼でしょ!!」 マオ「なにィ!?」 カリン「ほら、ちゃんと目を覚ましなさい。今日は大事な日なんだから、しっかり準備して待たなきゃ」 四川省随一の菜館(食堂)、国営『菊下楼』――― 代々、時の四川省最高の料理人が総料理長に任命されるこの国営菜館にはひとつの不文律がある・・・即ち料理長入れ替えの際に、新旧料理長による‘料理勝負‘が行われるのだ・・・!! マオがカリンの作る朝食を食べる。 カリン「二十年前、この『菊下楼』料理長に任命された父さんは、先代との‘料理勝負‘を制して、その座を獲得・・・十一年前、父さんが死んで、今度は母さんが派遣されてきた新料理長を逆に破ってこの店を守ったわ・・・」 マオ「・・・・・」 カリン「母さんは・・・・‘四川料理の仙女‘とうたわれた、歴代屈指の名料理長だった・・・母さんの編み出した数々の菜譜は、この店の歴史を次々と塗り替えていったんだもの・・・」 マオ「母さんが亡くなって、一ヶ月・・・」 カリン「今日・・・ついに来るのね・・・新しい料理長候補が・・・マオ・・・あんたが自ら望んだ、この‘料理勝負‘・・・!!もし負けてしまったら、私達この店を出て行かなきゃならないのよ。心の準備は、大丈夫ね・・・!!」 マオ「・・・・・!!倒す・・・!!ヤツだけは・・・!!」 (た・・・たたきつぶす!!)「・・・・・!!」 カリン「はい、できたわ。母さんがよく作ってくれたスープ。これ飲んで元気出して!!」 マオ「はッ!!」 「・・・・・・・」(母さん・・・・・・!!) マオがスープを飲んだ。 マオ「・・・・・!!――――あれ?」 マオが再度、スープを飲んだ。 マオ(八角、甘草、蜀椒、陳皮、菌香)「・・・・・・・」 「・・・・!!姉ちゃん。これ・・・仕上げに使う‘五香粉‘の配合が母さんのスープと違うよ。桂皮と丁香が入ってないもん」 カリン「え・・・・!?ホ、ホントに・・・・!?」 マオ「ハハハハハ、間違いないよ。母さんの味なら今でもはっきりと思い出せるんだ」 カリン「・・・・・さすがね、マオ。今度の勝負期待できそうじゃない」 「どーせあたし、味オンチだしィ・・・・・」 マオが表に出て、包丁を研ぎ出した。 マオ「・・・・・・」 (母さん・・・・僕だって分ってんだ・・・負けたら姉ちゃんとともに、路頭に迷っちゃうって・・・でも・・・) (ガマンできないんだ!!母さんの味が―――ここで終わっちゃうなんて・・・・!!しかも新料理長候補があいつなんだよ、母さん・・・!!) 「・・・・・」 マオの後ろに一人の男が立った。 マオ「!!」 ?「へェ~~~ッ、変わんないねェ、この店も・・・・」 マオ「えっ・・・・」 ?「あれから二年か・・・早いもんだぜ・・・」 マオ「・・・・・!!!」 ?「!!!、元気そうじゃねぇか、小僧・・・!!」 マオ「ショ・・・ショウアン・・・!!・・・・!!!」 ショウアン「死んじまったんだってなァ・・・パイのババァ・・・」 マオ「・・・・!!か・・・母さんが・・・どこのどいつのせいで、死んだと思ってんだ、コラァ!!!」 マオが包丁を振りかぶったが、カリンに止められた。 マオ「!?」 カリン「だめよ!マオッ、決着は料理でつけるって約束したでしょ!!」 ショウアン「フン・・・相変わらず鉄鍋みてぇなガキだ。アッという間に熱くなりやがる・・・・」 マオ「・・・・・!!!」 「あんたが・・・『菊下楼』に弟子入りして以来・・・未熟な料理人一人、一人前にするために母さんがどれだけの心と時間を注ぎ込んだのか・・・忘れたとは言わせないぞ・・・!!」 パイ「そうそう、左手中指の第一関節を包丁にあてて。垂直切りは刀工全般の基本だからね」 ショウアン「よッ」 「よし!!」 マオ「父さんが早く死んじゃった分、一日も早く一人前になって店を手伝ってくれるよにと、母さんは寝る間も惜しんで、あんたに全てを伝えたんだ」 パイ「・・・・・うん!!合格!!」 ショウアン「パ・・・パイ先生・・・!!」 マオ「あんたは母さんの身を削るような指導で、四川省から‘特級厨師‘の称号さえ与えられたんじゃないか・・・・!!」 「・・・そして忘れもしない・・・あんたが二十歳の誕生日を迎えた日だった・・・」 ショウアン「免許皆伝か・・・こいつが欲しかったんだよ」 パイ「こ、この店にはあなたの力が必要なの。これからもよろしくね、ショウアン」 ショウアン「残念だったな。オレァこれ以上、あんたの下で働く気はねえんだよ」 パイ「え・・・!?」 パイ「か・・・考え直して!!あなたに出て行かれたらこの店は・・・!!」 ショウアン「放せっつってんだよ、コラァ!!」 パイ「ショウアン!!せ、せめて理由を聞かせて!!」 ショウアン「チッ、理由だとォ・・・!!あんたに教わることがもう無くなった!!それだけだ、ババァ!!!」 ショウアンがパイを殴り飛ばした。 カリン「か、母さん!!」 ショウアン「ケッ」 パイ「ショ、ショウアン・・・・・」 マオ「・・・・・!!・・・・!!」 ショウアン「はははははははは」 マオ「自分だけではなく・・・腕利きの料理人を三人も連れて、あんたは店を出て行ったんだッ!!」 カリン「か、母さん大変よ!!金庫が破られてるの!!国から支給された今年度の給金が丸ごと無くなってるわ!!」 パイ「・・・・・・!!!」 カリン「ショウアンが全部持って行ったんだわ!」 ショウアン「フン・・・十年も働いたんだぜ・・・‘退職金‘くらいもらって何が悪い」 マオ「!!な・・・なにを~~~~ッ。お、おまえは知らないんだ!!それから二年間借金返済に追われながら母さんがどれだけつらい思いでこの『菊下楼』の激務に耐えていたかを―――ッ」 客たち「どうしたんだろう『菊下楼』・・・」 「もう一週間も閉じたまんまだ・・・」 マオ「か・・・母さん!!やだよ母さん!!」 マオ「母さんは心労と過労に体をむしばまれ、失意の内に・・・!!わかってんのか――――っ、おまえのせいで母さんは死んだんだぞ――――ッ」 ショウアン「・・・・!!フン・・・とんだいいがかりだな・・・」 マオ「‘料理勝負‘で母さんのカタキをとってやる―――ッ。おまえも知ってるだろ―――ッ、これに負けるとどうなるか―――ッ」 ショウアン「巣の中でさえずってる雛鳥に、なにができる!!」 マオ「親鳥の恩を忘れた、アホウドリよりマシだ――――ッ」 ショウアン「・・・・!!」 ?「双方控えよ!!」 マオ・ショウアン「「!!」」 豪勢な外套を着て、馬に乗った男が来た。 マオ「・・・・!!」 ショウアン「か・・・閣下・・・・!!」 ショウアンがかしづいた。 周りの人達がざわめきだした。 人々「おお・・・ついにリー提督が来られたか・・・」 「え?リー提督」 「おう・・・あの宮廷料理の司膳大監を長年務めていた、中央料理界の重鎮よ」 「あのお方こそ、今回の『菊下楼』料理勝負の厳正なる審判役さ」 「提督が課題を提示し、賞味して、勝敗を決めるんだ」 リー「・・・・・」 マオ「・・・・・!!」 (・・・こ、この人の舌が・・・僕と姉ちゃんの未来を握ってるんだ・・・!!) リー「ショウアン、マオ・・・おまえ達のいきさつ・・・知らぬ訳ではないが・・・私の役目はこの店の新料理長就任の手続きを済ませることだ・・・「敗者は国家より厨師の刺客を永久に剥奪される」、国営『菊下楼』の威信を保つ開店以来のこの掟に従い、料理勝負をととり行う。それでは、課題を発表する・・・!!」 マオ「・・・・・・」 (い、いよいよか・・・!!何だろう、肝心の課題は・・・!!毎回、料理人に無理なんだいふっかけてるって聞いてるけど・・・ホ、ホントは僕の作れる料理なんて両手の指で数えられちゃうんだ・・・!!) リー「ショウアン、マオ・・・おまえ達には―――「麻婆豆腐」を作ってもらおう」 ショウアン「え・・・!?マ・・・」 マオ(マーボードウフ!?よっしゃ―――ッ、そ、それなら僕にも作れるよ―――ッ) リー「ただし!!ただの麻婆豆腐ではない!!‘幻‘の麻婆豆腐だ!!」 マオ(ま・・・‘幻‘・・・!?) リー「・・・今から十年も昔になるが・・・」 「まだ一兵卒だった頃、私は都からの伝令を携え、四川に向かって三日三晩ほとんど不眠不休で馬を走らせた・・・そして使命を果たした後、ある村はずれの料亭に倒れこんだのだ・・・」 リー(過去)「おい・・・まかせる、何か作ってくれ・・・」 リー「極限の疲労と空腹で胃が何も受けつけない私に出された料理はなんと・・・!!」 リー(過去)「マ・・・麻婆豆腐!?重すぎるぞ・・・!!」 リー「ところが―――不思議な麻婆豆腐だった・・・・」 リー(過去)「!!」 リー「疲れきった胃に優しく吸収されてゆくそのすばらしい味にマーボをすくう手も加速してゆき、のどを通らぬどころかアッという間に三杯もたいらげてしまった・・・!!」 「十年を経た今もなお、解明できぬあの‘食感‘・・・・それは―――言うなれば・・・豆腐と肉との絶妙なる‘味の競演‘!!それを伝える店も料理人さえももはや存在せぬ、あの‘幻‘の麻婆豆腐を私に再び味わわせてもらいたい!!」 「・・・・よいうか・・ショウアン、マオ。麻婆豆腐を作るときにこそ四川の料理人の真価が問われるのだ・・・・!!本場四川のそれは‘五味一体‘が極意といわれるが・・・‘幻‘の麻婆豆腐は、‘六味一体‘也!!」 マオ「・・・・・・!?」 (六味一体・・・・・!?) リー「期限は明日の正午、‘六味一体‘の麻婆豆腐、それが課題だ!!よく考えよ・・・答えはおまえ達自身の中にあるかもしれぬぞ・・・!!」 マオ「?」 マオ「十年前・・・極限まで衰弱したリー提督の体を、優しく力強く回復させた‘幻‘の麻婆豆腐・・・「豆腐と肉との絶妙なる味の競演」、そして‘六味一体‘・・・・・!!」 「麻婆豆腐を決定づける、絶対にはずせないいくつかの‘味‘(ポイント)のことを確か以前母さんに聞いたことがある。とにかく材料はここに全部そろってるんだ。‘幻‘の麻婆豆腐・・・どこの何で料理人が作ったのか知らないけど・・・`六味一体‘ってやつに挑戦だ!!」 カリン「まず挽き肉ね!!」 マオ「その通り!」 「よし!挽き肉は炒まった!!ニンニクのみじん切りに豆包み、一味唐辛子、テンメンジャン。そして!!四川料理の‘命‘!!豆板醤!!このトウガラシの辛さがまず‘一味‘・・・辣‘(ラー)!!」 マオ「色よくなるまで炒めて、‘湯‘を加えたらいよいよ・・・豆腐だ!!」 カリン「あ!!あたし、この豆腐入れた瞬間好きなのッ!!」 マオ「いいよねっ、‘主役‘の登場!!って感じで」 「酒と調味料で味をととのえる」 「弱火で少し煮上げて、醤油を入れた後、ニンニクの若葉をのせる」 カリン「あ・・・ニンニクの若葉の香りが・・・これもマーボの楽しみのひとつよね・・・」 マオ「うん・・・この香りが二つめの‘味‘――-‘香‘(シャン)!!」 マオ「姉ちゃん見て見て!!トウガラシの「赤」と豆腐の「白」の対照美、それからのニンニクの若葉の「緑」!!」 カリン「赤・白・緑か・・・確かに見事な配色ね!!」 マオ「これで三つめ、‘色‘(スー)!!」 マオ「水溶き片栗粉でとろみをつけたら、いよいよ仕上げだ!!」 「油を鍋肌から回し入れ、強火で一気にあおる!!」 カリン「・・・・・マ・・・マオ・・・!!ちょっとやりすぎよ!!鍋が完全に焦げちゃってるわ!!」 マオ「これくらいでとうどいいのさ」 カリン「えっ!?」 マオ「マーボは仕上げで鍋が焦げるまで熱くしたとき初めて、最高の味と香りを引き出せるんだ。それが―――熱のうま味、‘湯火‘(タン)!!」 マオ「よし今だ!!油が浮いてきた!!」 「最後はたっぷりのサンショウ・・・サンショウのしびれるような辛み―――つまり‘麻‘(マー)!!これで完成ッ!!」 カリン「わ―――い、できたできた―――っ」 マオ「おいしそうだね――――、食べよう食べよう」 マオとカリンが出来上がった麻婆豆腐を食べる。 カリン「・・・・おいしいじゃないマオ―――ッ」 マオ「うん、我ながらよくできたよ―――ッ」 カリン「・・・・・でも結局これってフツーのマーボトーフだよね」 マオ「うん」 カリン「・・・・・ねえ、ホントに‘六味‘あった?」 マオ「え・・・・?」 マオ・カリン「・・・・・!!」 カリン「か・・・数えなさい!マオッ」 マオ「え・・・えっと・・えっと・・・・・‘辣‘・・・‘香・・・‘色‘・・・湯火‘・・・‘麻‘・・・それに・・――――・・!!」 「‘辣‘・・・‘香・・・‘色‘・・・湯火‘・・・‘麻‘・・・うわ―――っ」 (やっぱり‘五味‘しかないよ―――ッ、残りの‘一味‘は何なんだ―――ッ) マオ「空が白みだしてきた・・・・・ここまでか・・・・はァ~~~~」 カリン「・・・・マオ・・・麻婆豆腐っていえばさァ・・・・あたしもまだ小さかった頃だけど・・・・やたら毎日マーボを食べさせられてた時期がなかったっけ・・・?・・・そう思い出したわ!!母さんがうまくいったとか失敗したとか言いながらやけにいっぱい作ってたのよ」 「・・・・・でも・・・不思議だったなァ・・・・あんなに毎日食べてたのに全然飽きなかったのよねぇ・・・・・・!!」 マオ「・・・・・!!」 パイ「ごめんね、カリン、マオ・・・・今日もお昼、例のマーボなのよ・・・!!」 カリン「いいよいいよ、あたしこれ大好き――――♡」 マオ「ボクも――――」 マオ(・・・そうだ、あの頃は・・・・お昼ごはんをすごく楽しみにしてたんだ・・・・!!) マオ「いただきまーす」 昔のマオは。麻婆豆腐を噛みしめながら食べていて――― 今のマオがその感触を思い返す。 マオ「・・・・!!」 「!!・・・・‘豆腐と肉の味の競演‘ってもしかして・・・・・・・うーん・・・・」 カリン「?」 マオ「ねえ・・・姉ちゃん、母さんの麻婆豆腐って肉がさっぱりしてたから、すごく食べやすかったよねぇ・・・ほら挽き肉がさ、どの粒々もひっかかるところが無くて、サクッサクッと歯でかみ切れたじゃないか・・・・・!!」 カリン「そ、そこまで思い出せないよォ・・・・!!なんであんな昔の味をそんなに憶えてるの・・・・!!?」 マオ「・・・・・・」 カリン「・・・・・でも、もしそれが本当ならあの挽き肉は、牛肉の挽き方が普通と違ってたとか・・・・そうじゃなきゃ豚とか鳥の肉だったのかなァ」 マオ「試してみよう!!」 マオ「・・・・・ちがう・・・くそ―――ッ」 (待てよ!?提督は・・・他に・・・何か他に言ってなかったか――――・・・!?) リー「答えは、おまえ達自身の中にあるかもしれぬぞ・・・!!」 マオ「!?」 (僕自身の中にあるもの・・・・!?何だ・・・・!?提督は一体何のことを言って・・・・) 「!!」 (ん・・・・!?そうか・・・・!!そうだよ・・・・!!僕自身の中にあるものなんて、やっぱり母さんの味の記憶だけだよ・・・!!よし、思い出せ!!もう一度だ・・・・!!) (山椒、ニンニク、長ネギ。母さんのあの麻婆豆腐を構成してた) (ニガリ、そら豆、小麦。全ての素材にさかのぼれば・・・・・ (鶏脚、生姜、唐辛子。そうだ・・・!!わかるはずだ・・・・!!) (考えるんだマオ!!) そしてマオが立ち上がった。 カリン「!?」 マオ「姉ちゃん!!‘年鑑‘は!?」 カリン「え・・・・?ほら四川省で刊行してる農業とか牧畜とかの一年のことが全部記録してあるヤツだよ。毎年、成都から店に送られてきてたじゃないか」 カリン「ああ・・・・!!『四川省産業年鑑』のこと?」 マオ「それそれ!!昔のヤツ、何冊か出してよ!!」 マオが年鑑を読み返す。 マオ「・・・・・・!!!」 (や、やっぱりそうだ・・・・!!あの年は・・・・!!!) カリン「・・・・どうしたの・・・?」 マオ「姉ちゃん、全部・・・思い出したよ・・・」 カリン「え・・・?」 マオ「麻婆豆腐はこの地方じゃ何より人気の高い料理だ。だから母さんは店の菜譜からはずしたことは一度もなかった。でも今‘年鑑‘を調べてみたら、材料がなくて麻婆豆腐を作れないはずの年があったんだよ。その年のマーボこそ、幻のマーボだったんだよ!!姉ちゃん!!やっぱり母さんはすごいよっ!!六番目の‘味‘わかったぞ――――ッ」 マオが外に飛び出した。 カリン「あッ、ちょっとこんな時間からどこ行くのよ、マオ――――ッ」 そして、正午になり、菊下楼で料理勝負が始まろうとしていた。 リー「これより『菊下楼』‘料理勝負‘、審査に入る。ショウアン、マオ、準備はよいな!!」 ショウアン「ははッ・・・!!」 ショウアンとマオが料理の皿を机に置いた。 マオ「・・・・」 リー「・・・四川の麻婆豆腐は・・・麻・辣・色・香・湯火の‘五味一体‘・・・・では二人にきこう。‘幻‘の麻婆豆腐、六番目の味の決め手は何だ」 マオ「・・・・!!」 ショウアン「それは・・・」 マオ「それは・・・」 ショウアン・マオ「「‘スー‘にございます!!」」 リー「!!」 ショウアン(な、なにィ・・・・!?こいつ・・・・!!) マオ(え・・・・!!ショウアンも気づいてたんだ・・・!!) リー「好・・・両名ともよくぞ気づいた・・・‘スー‘とはすなわち「サクッとした歯さわり」・・・私が求めた六つ目の味は、まさしく‘スー‘である」 ショウアン(フフフ、思った通りだ。麻婆豆腐はそもそも歯ざわりに難のある料理。‘五味‘以外の‘味‘を「歯ざわり」に求めるのは当然のことだ) リー「二人の麻婆豆腐、とくと賞味させてもらおう」 リーの部下が料理の蓋を取り、二人の作った麻婆豆腐が露わになった。 観客たち「おおッ!!」 「どっちもうまそうだな!!」 「右のマオのも、左のショウアンのも!!」 「立方体の小さな豆腐、それを浮かべるみじん切りの牛肉」 「濃緑色鮮やかなニンニクの若葉のぶつ切りに、香り高い粉サンショウ。そして――――」 「周囲にはつややかに浮かぶトウガラシ油」 「ああ・・・マーボはオレたちの生きる活力源だよ!!」 「お・・・すでに提督の審査は始まってるみたいだぞ・・・!!」 「あぁ、二つの皿を食い入るように観察してるよ」 マオ「・・・・・」 観客たち「‘香り‘の方も一緒にみてるのさ」 「あ、今度は両方のスープだけを・・・!!」 リー「・・・・・うむ!!麻・辣・色・香・湯火の五味において両名ともに見事!!まずは両者互角と見る!!」 観客たち「‘五味‘全部互角か・・・!!」 「マオのヤツ頑張ったな!!」 「すると勝負の分かれ目はやはり」 「第六の味―――‘スー‘か!!」 ショウアン「・・・・!!」 リー「ではショウアンの方から、全体の味を見せてもらおう」 リーがレンゲでショウアンのマーボを食べていく。 リー「・・・・・」 「・・・・!!」 リーはレンゲで豆腐を掬いだした。 リー「・・・・フム・・」 観客たち「て、提督が味についてふれる前に」 「豆腐だけ小皿に分けて・・・」 「一体なにをやってるんだ・・・!?」 ショウアン(フ・・・さすがはリー提督・・・わかっておられる・・・!!) 観客たち「あッ!!」 「こ・・・これは!!」 ショウアンの豆腐は五個、縦に重ねられた。 観客たち「ご・・・五個縦に重ねて崩れない!!」 「おお・・・豆腐が余程しっかりしてる証拠だ・・・!!」 リー「ふむ・・・見事な豆腐の弾力・・・そして歯さわりだ・・・・しかもそれだけではない・・・!!」 リーがレンゲで重ねた豆腐を二つに切ると、中から液体が溢れてきた。 リー「よく下ごしらえしてある豆腐だな、ショウアン」 ショウアン「は・・・!!閣下、豆腐と肉を‘競演‘させるためには、豆腐の弾力を肉に近づける必要を感じ、その結果実現する豆腐の‘スー‘こそ、‘第六味‘と確信いたしました」 「サイの目に切った後の豆腐をショウガのしぼり汁と塩を加えた湯に通し、豆腐のくさみをとった上で塩により十分な張りと弾力を、各サイの目の表面に万遍なく与えたのです」 「使った豆腐は、やわらかく水分の多い絹ごし豆腐・・・!!表面をしめてある上に中身の水分はそのままになっています。つまり中までは熱が伝わらず、やわらかく冷たいままなのです」 「即ちその効果は・・・舌の上で豆腐の熱さを堪能したのち、歯ざわり(スー)を・・さらにその直後にくるやわらかみ(ネン)さえも楽しみ、中からこぼれた冷たい水分は熱を中和し、食道と胃を優しく保護するのです」 リー「・・・豆腐と肉との高次元な‘競演‘、そして胃に優しい‘温度差の中和‘―――見事な麻マーボだ・・・!!」 観客たち「勝負あったな・・・!!」 「そうか、‘スー‘ってのは豆腐の歯ざわりのことだったのか!!」 「それにしてもマオ・・・・母親の仕込んだ料理人に倒されるというのも皮肉だな」 ショウアン(小僧・・・おまえも終わりだな・・・!!) カリン(‘スー‘が豆腐のことだったなんて・・・!!マオはちゃんと気づいたのかしら・・・!!) リーが水で口をゆすぐ。 観客たち「提督が口をゆすいでいる・・・!!」 「マオの麻婆豆腐を食う準備だな・・・!!」 カリン「ちょっとマオ!!あんたの豆腐は大丈夫なの!?」 マオ「と・・・豆腐か・・・!!考えもしなかった・・・!!でも・・・・僕の考えが正しければ・・・!!」 カリン「え・・・!?」 観客たち「いよいよ・・・マオのマーボだ!!」 「・・・・・」 リーがレンゲに掬ったマオのマーボを息で冷ましてから、食べた。 リー「・・・・・・」 マオ「・・・・・」 リーがマオのマーボを噛みしめ、味わい――― リー「・・・・・・」 「・・・・・・・!!」 「!!こ、これは!!」 マオ(やった!!) リー「・・・・・・!!!・・・・・!!」 リーが一心不乱にマオの麻婆を食べ続ける。 リー「・・・・・」 マオ「・・・・」 リー「・・・・!!」 観客たち「うおお、て、提督が・・・」 「小皿に移さず、直接大皿からすくって食べてる!!」 「おお・・・!!どうしたんだ、提督は―――ッ」 「無言のままマオの麻婆を、加速度的に食べ続けて・・・!!」 リー「・・・・・・」 そして、リーはマオのマーボを全て食べ尽くした。 観客たち「!!」 「ぜ・・・全部イッキに・・・」 「食っちまったよ・・・!!」 リーが茶を飲んだ。 リー「・・・・!!ふ―――・・・」 「・・・・・・」 ショウアン「・・・て・・・提督・・・・!?」 リー「二人の麻婆豆腐・・・しかと吟味させてもらった」 「私は六番目の味として‘スー‘を求め、両名ともそれを見付けることには成功した・・・その‘スー‘をショウアンは豆腐に求め、一方マオは別の方向に求めた」 「確かにショウアンの豆腐の‘スー‘(歯ざわり)でも、‘六味一体‘は見事に実現できる。だが‘幻‘の麻婆豆腐の‘スー‘は、豆腐に非ず!!」 ショウアン「!?」 (‘スー‘は豆腐のことではない!?) 「か・・・閣下・・・!!それでは・・・!!」 リー「いかにも・・・おまえが作ったのは、‘幻‘の麻婆豆腐ではない!!確かに優れた豆腐の処理で食べる者をうならせるが、それだけのことだ・・・」 「こういった豆腐の下ごしらえをする料理人は、ショウアンのみならず広い中国には何千何万といるだろう」 「そして私は口にした瞬間わかったのだ。マオが作った麻婆豆腐こそ、この世に二つとない、あの‘幻‘の麻婆豆腐なのだと・・・!!」 カリン「・・・・!!」 スー「そしてその‘スー‘の真実は・・・」 「挽き肉だ!!」 ショウアン「!!」 (ひ・・・挽き肉・・・!?) リー「肉の‘スー‘―――歯ざわりこそ、第六の‘味‘だったのだ・・・」 観客たち「・・・なんだ・・・?」 「提督・・・今度はなにを・・・・?」 「!!」 「それぞれの挽き肉だけを小皿に・・・!!」 ショウアン(いや・・・たとえ‘スー‘が肉だとしても、オレの選んだ最高の肉が弾力で劣るはずがない・・・!!) リー「両者の挽き肉―――その歯ざわりの違いを―――刺客と聴覚で確かめるがいい・・・・まず・・・ショウアンの挽き肉だ・・・・」 ショウアン「・・・・・」 リーがレンゲでショウアンの挽き肉を強く押すと、その挽き肉はグニャリと潰れた。 観客「!!」 ショウアン「・・・・・・?」 リー「次に・・・・マオの挽き肉・・・・よく見よ・・・・」 リーがマオの挽き肉をレンゲで強く押す。 リー「・・・・」 マオ「・・・・!!」 ショウアン「!!」 挽き肉はカチンと二つに割れ、片方の挽き肉がショウアンの頬に当たった。 ショウアン「!!」 観客たち「き・・・聞こえたか・・・!?」 「ああ・・・確かに今、レンゲが皿に当たって「カチン」て・・・・マオの挽き肉が切れたからだ」 「ショウアンの挽き肉は切れてない・・・つぶれただけなんだよ・・・!!」 ショウアン「どういうことだ?」 リー「・・・不思議な肉だ・・・」 リーがマオの挽き肉をもう一度割った。 リー「いかなる肉であれどんなに丹念に挽いたところで、必ず‘筋‘が残るはず・・・」 「また・・・どれだけ炒めても挽き肉全体・・・そして挽き肉ひと粒ひつ粒において―――必ず焼きムラができるはずだ」 「ところがマオの肉はこのように、火が均一に通り筋が残っておらぬゆえ、実になめらかな歯ざわりとなる・・・・聞かせてもらおうかマオ・・・一体この肉は・・・・!?」 マオ「・・・提督。それは、肉ではございません」 リー「!?な・・・なにィ!?に・・・肉ではない・・・!?」 リーが驚愕のあまり、立ち上がった。 ショウアン「・・・!?」 (肉ではない‘肉‘!?) リー「どういうことだ!?」 マオ「その秘密は、これです」 マオの手には、小さな粒が乗っていった。 リー「?」 観客「なんだありゃ」 ショウアン「?」 マオ「皆さん、厨房にどうぞ」 マオに連れられて、リーとショウアン、観客たちが厨房に向かった。 リー「・・・この中か・・・」 マオ「はい」 マオが鍋の蓋を外した。 リー「!?」 その鍋の中には、大豆が詰められていた。 リー「な・・・なんと!!大豆か・・・!!」 マオ「大豆は、畑の肉と申します」 リー「・・・・・」 観客たち「だ・・・大豆!?」 「大豆か!?」 「まさか信じられん!!」 リー「さきほどの‘肉‘が――――大豆だとは・・・!!で、この大豆をどう調理するのだ!?」 マオ「まず水につけた大豆をスープでゆでます」 「次にそれを砕いて、つぶして・・・そして‘醤‘で濃いめに味付けするのです。この‘醤‘の水分と味が‘肉汁‘のうまみを演出します」 ショウアン「・・・・ちょっと待て・・・そんなうまみなど鍋の中で煮れば全てマーボの中に流れ出てしまい、‘肉‘らしい食感などまるで残らぬではないか」 リー「そうだ・・・第一、砕いて味つけしたくらいでは、肉の代わりになどならんだろう」 マオ「その通りです。だから最後に油でさっと揚げて、‘醤‘のうまみをとじこめ、同時に適度な固さを加えて歯ごたえも肉に近づけるのです。そうしてできたのが――――これです!!」 リー「・・・・なるほど・・・」 マオ「一見挽き肉みたいでしょ?」 ショウアン(大豆の挽き肉か・・・) ショウアンが大豆の挽き肉を食べてみた。 ショウアン「・・・・・・!!」 「ううッ!!こ、この味は確か・・・!!」 リー「気づいたようだなショウアン」 ショウアン「はッ!!」 リー「‘幻‘の麻婆豆腐を作った料理人こそ、‘四川料理の仙女‘とうたわれた『菊下楼』先代楼里長パイ―――即ち、おまえの恩師でありマオの母親だ・・・だからこそおまえ達にこの課題を出した」 マオ「・・・!!」 ショウアン(パ・・・パイ師の麻婆豆腐・・・!!!) リー「・・・しかし・・よくぞ気づいたなマオ・・・・」 マオ「‘課題‘から・・・‘幻‘のマーボは母の料理ではないかと思い、提督が来られた頃の『産業年鑑』を調べたところ、‘今からちょうど十年前・・・この付近一帯に牛の疫病が流行って肉が手に入らず、麻婆豆腐を作れない年があったことが分ったんです」 リー「そうか・・・私が来たのはこの年だったのか・・・・」 マオ「麻婆豆腐はみんなが何より楽しみにしてる菜譜・・・母は・・・全く別の素材でマーボを作ろうと試行錯誤していました・・・・その試作をあの頃僕たちもよく食べさせられたんです。当時の味の記憶をたどっていき、僕はその素材を大豆と確信しました。すみやかに優しくタンパク質を補給してくれる、この‘大豆マーボ‘こそ提督も十年前に召し上がった‘幻‘の麻婆豆腐だったんです」 リー「・・・・するとマオ、おまえは幼児の頃食べた味から自力でこの素材を解明したのか・・・・!!」 マオ「はい・・・母さんの味は一度でも食べたものなら、全部憶えています・・・・」 リー「・・・・・そうか・・・ショウアン・・・無論おまえにもこの味は受け継がれていたはずだな・・・」 ショウアン「は・・・・はは・・・・・!!」 (た・・・確かにマオの母親のパイ師の味だ・・・ただ十年も昔の‘幻‘のようにはかない味の記憶をたどり、大豆とまではつきとめるとは・・・!!この小僧・・何というヤツだ!) リー「ショウアンのマーボも確かに見事であった。しかし・・・この勝負の結果、もはやわかっていような・・・!!」 ショウアン「・・・・・!!!」 リー「・・・・第六の‘味‘―――‘スー‘・・・・・十年もの間ずっと不思議に思っておった・・・・挽き肉のしつこさがないさわやかな口あたり・・・この上なく繊細な‘肉‘の舌ざわり・・・豆腐と肉が調和し、舌の上ですばらしい曲を奏でる‘幻‘の麻婆豆腐・・・!!よくぞ解明した!!見事だマオ!!」 マオ「やったよ姉ちゃん、やっぱり母さんの味だったんだ!!」 カリン「キャ―――ッ、マオ―――ッ」 観客たち「信じられねーよ、マオ――――!!」 「マオ――――ッ、おまえすごいヤツだったんだな――――ッ」 「それっ、新料理長殿、肩車してさしあげよう」 ショウアン「・・・・・」 (『菊下楼』料理長の栄誉が転がりこむはずが、厨師の資格永久剥奪とは・・・!!だが・・・断じてこのままでは終わらんぞ・・・!!おぼえてろよマオ!!) リー「マオ、このすばらしい‘大豆マーボ‘、皆にもふるまってやれ」 観客たち「や、やった!!」 「食べていいんですか!!」 観客たち「牛肉に勝るとも劣らぬうまさだ・・・・!!」 「ああ、しかもさっぱりしてるからいくらでも食えちゃうよ」 「パイさんの味か・・・しかし惜しい人を亡くしたな」 部下「・・・・わずか十三歳の総料理長誕生というわけですか・・・・しかし閣下・・・僭越ながら、あのあどけない少年に四川省随一の菜館は荷が重すぎるのでは・・・」 リー「フッ、そうかな?」 リー(古来、すぐれた料理人は味の記憶・心像だけで全ての構成素材にまでさかのぼれるといわれる・・・私ですら解けなかった‘大豆肉‘を、十年も前の味の記憶からよみがえらせたあの少年には、四川省随一の菜館さえ役不足かもしれぬわ・・・・・!!) (続く) (つづく)